鉄骨造・RC造の家の解体費用 熊本市の構造別単価で見る木造との差と見積書の確かめ方
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鉄骨造やRC造の家の解体費用は、木造より1㎡あたりの単価が高く出る資料があります。熊本市が公表している標準単価(税抜、解体費のみ)は、木造が11,459円、軽量鉄骨が12,087円、重量鉄骨が13,988円、RC(鉄筋コンクリート)が16,159円です。RC造は木造の約1.4倍にあたります。
ただしこの単価は、令和8年熊本地震の被災家屋等を対象にした標準単価です。一般の見積もりの相場ではありません。基礎の解体や運搬は別の単価で、現場の条件でも金額は変わります。この記事は一般的な情報で、個別の判断は解体業者や建築士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。木造の費用の内訳は木造住宅の解体費用の記事に書きました。
熊本市が公表している構造別の単価
構造ごとの単価を自治体が公表している例として、熊本市のページを読みました。2026年10月9日に更新されたページです。

表は左右に動かして読めます。
| 構造 | 解体費(円/㎡) | 運搬費 片道4km | 運搬費 片道8km |
|---|---|---|---|
| 木造 | 11,459 | 2,149 | 3,761 |
| 鉄骨造(軽量鉄骨) | 12,087 | 1,878 | 3,288 |
| 鉄骨造(重量鉄骨) | 13,988 | 1,878 | 3,288 |
| RC造 | 16,159 | 3,284 | 5,750 |
金額はすべて税抜です。解体費には仮設・積込・諸経費が含まれ、基礎の解体撤去は含まれません。運搬費は4t車を使う場合の単価です。
基礎の解体には別の単価があります。木造と軽量鉄骨は解体費が4,588円/㎡、RC造と重量鉄骨は5,497円/㎡です。運搬費も別に定められています。
単価の読み方で分からないことは、熊本市コールセンター(096-334-1500、年中無休の8時から20時)が窓口として案内されています。他の市で同じような単価を公表しているかは、各市のページで確かめてください。
このページは補助の対象になる範囲も示しています。樹木、庭石、擁壁、カーポート、敷地内の舗装、損壊していないコンクリートブロック塀などは、補助の対象外です。
延べ床面積100㎡で単純計算してみる
単価の違いを見るために、延べ床面積100㎡の建物で、解体費に運搬費(片道4km)を足してみます。基礎の解体と消費税は含めていません。

表は左右に動かして読めます。
| 構造 | 解体費 | 運搬費 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 木造 | 1,145,900円 | 214,900円 | 1,360,800円 |
| 軽量鉄骨 | 1,208,700円 | 187,800円 | 1,396,500円 |
| 重量鉄骨 | 1,398,800円 | 187,800円 | 1,586,600円 |
| RC造 | 1,615,900円 | 328,400円 | 1,944,300円 |
木造との差を、解体費の単価で比べると次のようになります。
- 軽量鉄骨: 木造より628円/㎡高い(約5.5%増)。
- 重量鉄骨: 木造より2,529円/㎡高い(約22%増)。
- RC造: 木造より4,700円/㎡高い(約41%増)。
基礎の解体費でも、RC造と重量鉄骨の5,497円は、木造と軽量鉄骨の4,588円より909円/㎡高くなっています。構造が重くなるほど単価が上がる並びです。ただし軽量鉄骨と重量鉄骨の区別は、熊本市のページに定義が書かれていません。自分の建物がどちらにあたるかは、図面や設計をした会社の資料で確かめます。
これは熊本市の標準単価に面積を掛けただけの試算です。実際の見積もりには、足場や養生、廃棄物の処分費、重機を入れる道の条件などが加わります。基礎の単価を何㎡に掛けるかは、私が確かめた範囲のページには書かれていませんでした。計算するときは熊本市の担当窓口に聞いてください。
構造が違うと、手続きや調査も変わる点
単価のほかに、構造によって気をつける点があります。コンクリートを使う建物は、建設リサイクル法の対象になる資材が含まれます。

同法の施行令1条は、特定建設資材として次の4つを挙げています。
- コンクリート
- コンクリート及び鉄から成る建設資材
- 木材
- アスファルト・コンクリート
解体する建築物の床面積の合計が80㎡以上だと、分別解体等の対象になります(同法9条、施行令2条)。対象の工事は、工事に着手する日の7日前までに、発注者が都道府県知事へ届け出ます(同法10条)。これは木造でも同じです。届け出の中身は見積書と届け出の記事にまとめました。
工事が終わると、元請業者は再資源化等の完了を発注者に書面で報告します(同法18条1項)。コンクリートが多い建物では、この報告書の内容も確かめておきます。
国土交通省の建築物解体工事共通仕様書(令和4年版)は、躯体をコンクリート、鉄筋、鉄骨、木材の種類ごとに分別して解体すると定めています。この仕様書は官庁施設の工事向けで、一般の住宅にそのまま当てはまるものではありません。解体の方法として、圧砕機やブレーカーで壊す破砕解体、カッターやワイヤソーで切り離す部材解体などが挙げられています。どの方法を使うと費用がどう変わるかは、この資料からは分かりません。
アスベストの事前調査については、アスベストの事前調査の記事で説明しています。
見積書で確かめること
鉄骨造やRC造の見積もりでは、次の点を確かめます。

- 構造と延べ床面積が、登記や図面と合っているか。
- 基礎の解体が、建物本体の費用と別の行になっているか。
- 運搬の距離と、処分費の単価が書かれているか。
- 税抜か税込か。
- 庭木、塀、カーポート、舗装などの付帯物が、見積もりに入っているか。
熊本市の単価は、見積書の単価を見るときの物差しのひとつになります。ただし諸経費を含む標準単価で、被災家屋の補助に使う額です。見積書の単価が高いか低いかを、この数字だけで決めることはできません。業者に、単価の内訳と含まれる作業を聞いてください。複数の業者から見積もりを取る方法は業者の選び方の記事にあります。
地面の下から古い基礎やコンクリートが出たときの扱いは、地中埋設物の記事に書きました。契約前に、追加費用の決め方を契約書で確かめておきます。
出典
- 熊本市(令和8年熊本地震被災家屋等の解体費標準単価について・2026年10月9日更新) https://www.city.kumamoto.jp/kiji00373278/index.html
- e-Gov法令検索(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 9条・10条) https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000104
- e-Gov法令検索(同法施行令 1条・2条) https://laws.e-gov.go.jp/law/412CO0000000495
- 国土交通省(建築物解体工事共通仕様書 令和4年版) https://www.mlit.go.jp/common/001472934.pdf
いずれも2026年11月4日に確認しました。