再建築不可の家を解体する前に確かめること 接道義務と43条2項の認定・許可
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再建築不可とは、今ある建物を壊すと、同じ場所に新しい建物を建てられなくなるおそれのある土地です。多くは、建築基準法43条の接道義務を満たしていないことが理由です。
解体の前に確かめるのは3つです。前面の道が建築基準法上の道路か、敷地がその道路に2メートル以上接しているか、接していない場合に43条2項の認定や許可を受けられる見込みがあるかです。確かめる先は、土地がある市区町村の建築指導の窓口です。この記事は一般的な情報で、個別の判断は建築士や市区町村の担当窓口などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。
再建築不可になる接道義務のしくみ

建築基準法43条1項は、建築物の敷地は道路に2メートル以上接しなければならないと定めています。ここでいう道路には、自動車だけが通る道路などは含まれません。
道路とは何かは、42条が決めています。原則は幅員4メートル以上のもので、道路法による道路、都市計画法などによる道路、位置の指定を受けた私道などが挙げられています。見た目が道でも、この定義に当てはまらなければ、建築基準法上の道路ではありません。
つまり、再建築ができないのは次のような場合です。
- 敷地が建築基準法上の道路に、まったく接していない。
- 接しているが、その長さが2メートルに満たない。
- 接している道が、建築基準法上の道路として扱われていない。
建築基準法の接道の規定は、条例で上乗せされることがあります(43条3項)。特殊建築物や3階建て以上などの建物では、自治体の条例が追加の条件を付けられます。戸建ての建て替えでも、自治体の条例を窓口で確かめます。
すでに建っている家が基準に合っていなくても、すぐに違法になるわけではありません。3条2項は、規定が適用された時点ですでにある建築物には、その規定を適用しないとしています。しかし、解体したあとに新しく建てる建物は、新たな建築物として規定が当てはまると考えられます。解体が重い判断になるのは、この理由です。
前面の道が建築基準法上の道路か調べる

最初の確認は、家の前の道が、建築基準法42条のどの道路にあたるかです。多くの自治体が、道路の種別を図面で公開しています。
京都市のページ(2026年3月18日)では、建築基準法上の道路種別を指定道路図で公開し、インターネットで閲覧と出力ができるとしています。電話では種別を回答しないと書かれています。窓口での複写の交付は2026年5月18日から終了し、原則としてインターネットで確かめる形です。
福岡市のページ(2025年5月29日更新)は、建築指導課の道路判定係に来庁して聞く形で、電話の問い合わせは取り違いの影響が大きいため断っています。窓口に持っていくものとして、地図、道路台帳平面図を挙げ、あれば公図、登記事項証明書、地積測量図、写真も持参するよう案内しています。
地図に道が載っていても、種別が示されていない道があります。京都市では未判定とし、道路種別判定依頼の用紙で依頼します。福岡市では、道路相談カードを提出します。現地の調査が必要になると、回答まで時間がかかります。解体の日程を決める前に、この調べを済ませておきます。
42条2項の道路にも注意が要ります。条文は、建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道で、特定行政庁が指定したものを道路とみなし、中心線から水平距離2メートルの線を道路の境界線とみなすと定めています。この場合は、建て替えの際に敷地を後退させる必要が出ます。後退する範囲と、その部分の扱いは、窓口で確かめます。
敷地が道路に2メートル接しているか

道が道路と分かっても、敷地が2メートル以上接しているかを確かめます。路地状の敷地の入口が狭いと、わずかな差で基準を下回ります。
確かめる資料は、土地の登記事項証明書、公図、地積測量図、境界の確認書類などです。境界標の位置は、現地の測量で確かめるのが確実で、土地家屋調査士に頼む方法があります。隣地との境界があいまいなときは、解体の前に整理しておきます。
確かめるときは、次の点を見ます。
- 道路に接する部分の長さ(2メートル以上あるか)。
- 通路の持ち主。他人の土地を通って道路に出ている場合は、通行の権利が書面で決まっているか。
- 通路の幅と、途中で狭くなる部分がないか。
通路の持ち主や通行の権利は、建築基準法とは別に、民法などで決まる問題です。通路の権利関係は、窓口と、司法書士や弁護士などの専門家の両方に確かめます。
43条2項の認定と許可を窓口で確かめる

接道が足りない敷地でも、43条2項の認定または許可を得られれば、建築できる場合があります。条文の中身は次のとおりです。
- 1号(認定): 幅員4メートル以上の道(建築基準法上の道路でないもの)に2メートル以上接し、利用者が少数であるものとして国土交通省令の基準に合う建築物で、特定行政庁が支障がないと認めるもの。
- 2号(許可): 敷地の周囲に広い空地を有する建築物などで、特定行政庁が支障がないと認め、建築審査会の同意を得て許可したもの。
市の案内で確かめた違いは次のとおりです。大阪市のページ(2026年4月1日更新)は、認定を延べ面積500平方メートル以下の建築物、許可を広い空地のある建築物の対象としています。建築審査会の同意が要るのは許可のほうです。横浜市のページ(2026年4月1日更新)も、認定は審査会の同意が要らず、許可は要るとしています。
手続きの進め方も、市の案内に書かれています。
- 横浜市は、正式な申請の前に事前相談を求めています。認定は窓口での相談を依頼し、郵送での申請は受け付けないとしています。
- 横浜市は、この許可は建築物ごとに、建築のたびに申請が要ると書いています。以前に許可を得た敷地でも、建て替えのときに自動で引き継がれるとは限りません。
- 静岡県富士宮市のページ(2026年4月1日更新)は、建築確認の申請の前に認定または許可を取ることを求め、手数料の例として認定28,000円、許可34,000円と書いています。手数料と必要書類は市ごとに違います。
どちらの手続きも、解体してから動くものではありません。認定や許可が受けられるか、受けられるときの条件が何かは、計画する建物の用途や規模、周囲の状況で決まります。建築を考えているなら、解体の前に、建築計画を示して事前に相談します。
解体を決める前に窓口で聞くこと

窓口に行く前に、次のものをそろえます。
- 土地と建物の登記事項証明書。
- 公図、地積測量図(あれば)。
- 建築時の図面や確認済証(あれば)。
- 現地の写真(家の前の道と、敷地の入口)。
- 住所と地番を示す地図。
聞くことは次の順番がわかりやすいです。
- 前面の道は、建築基準法上のどの道路か。種別が未判定ではないか。
- 敷地は道路に2メートル以上接しているか。
- 接していないとき、43条2項の認定や許可の対象になりうるか。その場合の条件と手続き。
- 42条2項道路の場合、敷地の後退が必要か。
- 市の条例による追加の制限はあるか。
解体そのものを急ぐ理由がなければ、この答えをもらってから、解体の時期と費用を決めます。傷んだ空き家を壊すときは、補助金が使えることがあります。順番は解体の補助金の記事にまとめました。
売却を考えているときは、更地にして売るか、古家付きで売るかで、税金や契約上の責任が変わります。比べ方は更地にするか古家付きで売るかの記事にまとめました。売る前に、窓口で分かった内容を整理しておくと、買う人への説明に使えます。
家を壊す工事の見積りで確かめる項目は、見積書と届け出の記事にあります。解体業者の許可や登録は解体業者の選び方で確かめられます。
出典
- 建築基準法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 3条、42条、43条
- 京都市「建築基準法上の道路種別と手続」(2026年3月18日) https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000328986.html
- 福岡市「建築基準法上の道路について」(2025年5月29日更新) https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kenchikushido/life/kijunnhoujounodouro/kenchikukijunnhoujounodouronitsuite.html
- 大阪市「接道規定に係る特例の認定・許可(法第43条第2項第1号、2号)」(2026年4月1日更新) https://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/page/0000012309.html
- 横浜市「敷地等と道路との関係の許可・認定(建築基準法第43条第2項)」(2026年4月1日更新) https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kenchiku/tetsuduki/kyoka/43.html
- 富士宮市「接道の認定・許可(建築基準法第43条第2項)」(2026年4月1日更新) https://www.city.fujinomiya.lg.jp/1040610000/p002415.html
いずれも2026年11月4日に確認しました。