家の解体と補助金

ブロック塀の撤去費用と補助金 基準の確かめ方と3つの市の制度

内容の確認日: 2026年11月4日

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ブロック塀の撤去に使える補助金は、名古屋市や高槻市のように、交付決定の前に工事の契約や着工をすると対象から外れる市があります。この記事で調べた横浜市、名古屋市、高槻市は、いずれも道路などに面した塀が対象で、隣の敷地との境にある塀は対象外か、条件が別になります。

補助額は市ごとに違います。国は自治体の取り組みを交付金で支える側で、申し込む窓口は市区町村です。この記事は一般的な情報で、個別の判断はお住まいの市区町村の窓口や建築士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

危ないブロック塀かどうかは、基準で確かめる

補強コンクリートブロック造の塀の基準は、建築基準法施行令第62条の8にあります。主な内容は次のとおりです。

  • 高さは2.2メートル以下
  • 壁の厚さは15センチメートル以上(高さ2メートル以下の塀は10センチメートル以上)
  • 壁の頂部と基礎には横に、端部と隅には縦に、径9ミリメートル以上の鉄筋を入れる
  • 壁の中にも、径9ミリメートル以上の鉄筋を縦横に80センチメートル以下の間隔で入れる
  • 高さ1.2メートルを超える塀は、長さ3.4メートル以下ごとに控壁を設ける
  • 高さ1.2メートルを超える塀は、基礎の丈を35センチメートル以上、根入れの深さを30センチメートル以上にする

2018年6月の大阪府北部地震では、ブロック塀の倒壊被害が出ました。国土交通省は2018年6月21日に「ブロック塀等の点検のチェックポイント」を公表し、所有者に点検を呼びかけました。外観で確かめる項目は、高さ、厚さ、控え壁、基礎、傾きとひび割れです。ひとつでも不適合があれば危険なので、改善するよう案内しています。分からないことがあれば専門家に相談するよう書かれています。

鉄筋が入っているかや、基礎の根入れの深さは、外から見て分からないことがあります。建築士など専門家に見てもらってください。

国の動きと、補助金の窓口

国土交通省の資料によると、基準に合わない塀の除却や改修は、2018年度の第2次補正予算から、防災・安全交付金などの基幹事業として支援の対象になりました。それまでは効果促進事業の扱いで、建物の耐震改修などを別に行うことが前提でした。今は塀だけでも支援の対象にできると書かれています。

国土交通省関連の建物
写真: Doricono / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

国土交通省のページは、社会資本整備総合交付金と防災・安全交付金を別の項目として並べています。ブロック塀の撤去は、これらの交付金を使って自治体が行う補助の形になります。所有者が申し込むのは、国ではなく市区町村の補助制度です。

耐震改修促進法の政令も改正されました(2018年11月30日公布、2019年1月1日施行)。地方公共団体が指定した避難路の沿道で、一定の高さと長さのある塀は、耐震診断が義務になりました。国土交通省の資料では、東京都、大阪府、大阪府茨木市が適用していると書かれています。ご自宅の塀が対象になるかどうかは、自治体に尋ねてください。

3つの市の補助を比べる

自治体の制度は、市ごとに上限額と条件が違います。次の3市の公式ページを確かめました。

表は左右に動かして読めます。

市対象の塀補助額の決め方上限額手続きの時期
横浜市(ブロック塀等改善事業)道路等に面し、高さ1m以上で地震時に倒壊するおそれがあるもの。原則、道路等に面する塀をすべて除却する工事費の9/10、または長さ×13,000円/mのいずれか低い額塀の長さが10m未満で30万円、10〜20m未満で40万円、20m以上で50万円(軽量フェンス等の新設分と合計)事前相談の受付は2026年4月1日〜12月31日。交付申請の前に無料の事前相談を受ける(令和8年度中に交付申請するなら10月31日までに事前相談を申し込む)
名古屋市(ブロック塀等撤去費助成)道路に面する高さ1m以上のブロック塀等。隣地に面する部分は対象外撤去費用の1/2以内、または1mあたり6,000円のうち低い額10万円交付決定の通知の前に工事の契約を結ぶと交付できない
高槻市(ブロック塀等撤去工事費の補助制度)道路または公園に面する高さ80cm以上の塀。隣地境界など道路や公園に面しない塀は対象外見附面積(撤去する高さ×幅)1㎡あたり13,000円で計算。見積額が計算額を下回れば見積額300万円(計算額が100万円以上になると算定方法が変わる)契約や着工の前に申請し、交付決定を受ける。申請は年度の1月末まで、完了報告は2月末まで

横浜市の補助は、市内に本社のある業者から施工業者を選ぶ条件があります。名古屋市の主な木造住宅密集地域は別の扱いで、窓口も市街地整備課になります。高槻市のページの更新日は2025年4月1日です。令和8年度の内容は、市の窓口で確かめてください。

高槻市は、大阪府北部地震を受けて撤去工事の補助制度を設け、道路などに面する危険な塀の撤去を進めています。国土交通省の事例集には、2018年度は258件の補助の利用があったと書かれています。

撤去費用の考え方と、補助の計算例

ブロック塀の撤去費の相場は、国や自治体の公式資料から確認できませんでした。上の表の「1mあたり6,000円」や「1㎡あたり13,000円」は、補助を計算するための単価です。実際の工事費とは別のものです。

補助の計算の仕組みを見るために、仮の数字で計算します。実際の金額ではありません。長さ10メートルの塀を撤去し、工事費が20万円かかったとします。

  • 横浜市: 工事費の9/10は18万円。長さ×13,000円は13万円。低いほうの13万円が補助額の目安です。上限は10m以上20m未満の40万円以内です。
  • 名古屋市: 工事費の1/2は10万円。1mあたり6,000円は6万円。低いほうの6万円です。

どちらも工事費の全額は出ません。見積もりでは、塀の長さ、高さ、基礎の撤去を含むか、廃材の処分費が入っているかを確かめてください。解体全般の見積書の見方は、見積書と届け出の記事に書きました。

申請の順番と注意点

3市に共通するのは、工事より先に申請の手続きを進める点です。

  1. 市の窓口やページで、塀が対象か確かめる(横浜市は事前相談から)
  2. 業者から見積もりを取る
  3. 補助金の交付申請をする
  4. 交付決定の通知を受ける
  5. 業者と契約し、工事をする
  6. 完了報告を期限までに出し、補助金を請求する

名古屋市と高槻市は、交付決定の前に契約や着工をすると対象外になると書いています。横浜市のページに「契約前に申請する」という明記はありませんが、見積書を添えた交付申請が先で、完了報告が工事のあとの手続きとされています。進め方に迷ったら、先に窓口へ聞いてください。

高槻市の完了報告は、申請年度の2月末が期限です。予算に達すると受付が終わる市もあります。年度の後半は、早めに相談するほうが安心です。

家の解体に使える補助金は、解体の補助金の記事にまとめています。塀の撤去と家の解体を一緒に行う場合は、どちらの補助も、それぞれ別に申請の順番を確かめてください。

出典

いずれも2026年11月4日に確認しました。令和9年度以降の内容は、各市の発表を確かめてください。

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