建物滅失登記を自分でするときの申請書と添付書類 取壊し証明書・印鑑証明書・登録免許税
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家を取り壊したあとの建物滅失登記は、所有者が自分で申請できます。法務局のホームページに申請書の様式と記載例があり、添付するのは、取り壊した工事の業者が作る「建物滅失証明書」が中心です。
期限は取り壊した日から1か月以内で、登録免許税の欄は申請書にありません。この記事では、申請書の書き方と添付書類、取壊し証明書の頼み方に絞って説明します。この記事は一般的な情報で、個別の判断は管轄の法務局や土地家屋調査士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。
期限と過料は条文で確かめる

不動産登記法57条は、建物が滅失したとき、表題部所有者か所有権の登記名義人が、その滅失の日から1か月以内に滅失の登記を申請するよう定めています。正当な理由がないのに怠ると、同法164条により10万円以下の過料に処されます。
起算するのは、工事の完了日や請求書の日付ではなく、建物がなくなった日です。申請書に書く日付も、取壊し証明書に書かれた取壊しの日になります。解体業者と契約するときに、取壊しの日をどの日で証明してもらうかを聞いておくと、あとで迷いません。
登記されていない建物には、この登記の申請はできません。その場合は市区町村への届け出になります。期限や過料の概要は見積書と届け出の記事にまとめています。
申請書の書き方 法務局の記載例から

法務局のホームページの「不動産登記の申請書様式について」には、建物滅失登記申請書の様式と記載例が載っています。様式は一太郎・Word・PDFの3つの形で配られています。記載例は、建物を取り壊した場合のものです。次の順に書きます。
- 登記の目的: 「建物滅失」と書く。
- 添付情報: 「建物滅失証明書」と書く。
- 申請の年月日: 申請書を法務局に出す日を書く。
- 提出先: 管轄の法務局(または地方法務局)の支局・出張所を書く。
- 申請人: 登記記録の甲区に記録されている現在の登記名義人の住所と氏名を書き、氏名の末尾に認印を押す。甲区がない登記記録では、表題部の末尾に記録されている所有者を書く。
- 連絡先の電話番号: 補正が必要なときに法務局から連絡するための番号。平日の日中に出られるもの。携帯電話でもよい。
- 建物の表示: 登記事項証明書に記録されているとおりに、所在、家屋番号、種類、構造、床面積を書く。不動産番号を書けば、これらは省略できる。
- 登記原因及びその日付: 建物滅失証明書に書かれた取壊しの日と、「取壊し」と書く。
申請書が何枚にもなるときは、各用紙のつづりに契印をします。記載例の注意書きには、登記記録の所有者の住所が今の住所と違うときは、住所の移り変わりが分かる住民票の写しや戸籍の附票の写しなどを添付するとあります。登記事項証明書は、書く前に取り寄せておくと写し間違いを防げます。
建物滅失証明書と印鑑証明書

添付する建物滅失証明書は、建物を取り壊した工事請負人が作る証明書です。記載例には次の項目が並んでいます。
- 建物の表示(所在と家屋番号)
- 滅失の理由(取壊しの日)
- 所有者の住所と氏名
- 「上記のとおり建物を取り壊したことを証明します」という文と、証明する日付
- 請負人の住所、名称、代表者の記名と押印
印鑑証明書が必要になるのは、この証明書の真実性を確かめる場面です。法務局の記載例は、請負人が法人のとき、法人の代表者の資格を証する書面(登記事項証明書など)と、登記所で交付される代表者の印鑑証明書を、請負人から受け取った場合は添付するとしています。請負人が法人でないときは、個人の印鑑証明書です。
ここでいう印鑑証明書は、所有者のものではなく、請負人のものです。請負人が法人のとき、申請書に会社法人等番号を書けば、資格を証する書面と印鑑証明書の添付を省略できると記載例にあります。ただし、印鑑証明書は現在登記所に印鑑を登録している場合に限ります。
自分で建物を壊した場合など、工事請負人の証明書が得られない事情があるときの扱いは、記載例には書かれていません。管轄の法務局の窓口で、どの書類で足りるかを事前に聞いてください。
この証明書は、解体の契約のときに頼んでおくのが確実です。見積書の段階で「建物滅失証明書と必要書類を出してもらえるか」を聞き、会社の登記事項証明書と印鑑証明書を、工事の完了報告と一緒に受け取る段取りにします。
登録免許税と費用の考え方

登録免許税法2条は、登録免許税を、別表第一に掲げる登記などについて課すると定めています。別表第一の不動産の登記の欄は、所有権の保存や移転、抵当権の設定などを並べています。建物の滅失の登記という項目は、この欄に見当たりません。
登記の抹消の項は、土地または建物の表題部の登記の抹消を除くとしています。建物の滅失の登記は表題部に関する登記です。法務局の記載例の申請書にも、登録免許税や課税価格を書く欄はありません。これらを読み合わせると、申請に登録免許税はかからないと考えられます。念のため、提出する法務局の窓口で確かめておくと安心です。
登録免許税がかからなくても、費用がゼロとは限りません。登記事項証明書の取り寄せ、書類の郵送、住民票や戸籍の附票の取得などには、手数料や送料がかかることがあります。金額は書類や請求方法で変わるため、この記事では示しません。
手続きに自信がないときは、土地家屋調査士などの専門家に頼む方法もあります。報酬は事務所ごとに違うため、見積もりで確かめてください。
申請したあとに確かめること

申請書を出したら、補正の連絡に出られるよう、書いた電話番号を平日の日中に使える状態にしておきます。記載例が、連絡先を平日の日中に受けられる番号にするよう求めているためです。
土地の固定資産税は、建物の有無で扱いが変わることがあります。くわしくは固定資産税の記事で説明しています。
登記記録の名義人がすでに亡くなっている建物では、申請人を誰にするかで、相続に関する手続きが関わることがあります。書類を集める前に、管轄の法務局の窓口で相談してください。
出典
- e-Gov法令検索 不動産登記法(57条・164条) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
- e-Gov法令検索 登録免許税法(2条・別表第一) https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035
- 法務局 不動産登記の申請書様式について(建物滅失登記申請書) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html
- 法務局 建物滅失登記申請書の記載例(建物滅失証明書の例と注意事項) https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001189459.pdf
いずれも2026年11月4日に確認しました。様式や記載例は更新されることがあるため、申請の前に法務局のページで最新のものを確かめてください。