家の解体と補助金

解体の見積書で確かめる項目と工事前後の届け出

内容の確認日: 2026年11月3日

解体の見積書では、工事の範囲と付帯工事、廃棄物の処分費、アスベストの調査費が分けて書かれているかを確かめます。延べ床面積80㎡以上の家の解体では、建設リサイクル法により、業者からの書面での説明と書面による契約が求められます。

工事の前後には、手続きがいくつかあります。着工7日前までの建設リサイクル法の届出、電気や電話などの停止の連絡、解体後1か月以内の建物滅失登記です。この記事は一般的な情報で、個別の判断は土地家屋調査士や解体工事業者などの専門家にお願いします。内容は2026年11月3日に確認しました。

見積書で確かめる項目

見積書の書き方は業者によって違います。複数の見積もりを比べるときは、同じ項目が同じ範囲で入っているかをそろえて見ます。次の一覧は、この記事で調べた資料をもとにした確認の例です。

解体を控えた古い建物が並ぶ路地
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)
  1. 建物本体の解体: 構造と延べ床面積、単価の根拠。
  2. 付帯工事: ブロック塀、フェンス、庭木、物置、カーポート、浄化槽などが入っているか。
  3. 廃棄物の処分費: 本体工事に含むのか、別の行で書かれているのか。
  4. アスベスト: 事前調査の費用と、石綿が見つかった場合の扱い。
  5. 地中から古い基礎やがらが出た場合: 追加費用をどう決めるか。
  6. 諸経費: 重機の回送、養生、現場管理、各種の届出などが入っているか。
  7. 手続きの分担: 届出やライフラインの連絡を、業者と施主のどちらが行うか。

金額のほかに、見積もりの有効期限と支払いの時期も確かめておくと、契約の段階で慌てずに済みます。補助金を使う場合は、交付決定の前に契約しないことも業者に伝えておきます。

各項目の金額の目安は、解体費用の内訳の記事にまとめました。アスベストの調査の決まりは事前調査の記事で説明しています。

契約前の書面での説明と書面の契約

延べ床面積80㎡以上の建築物の解体は、建設リサイクル法の対象建設工事に当たります。この規模は、同法の施行令2条で決められています。対象建設工事では、建物を材料ごとに分けて解体する分別解体が義務です(同法9条)。

屋根がはがされた解体途中の木造家屋
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)

工事を直接請け負おうとする業者は、契約の前に、発注者へ書面を渡して説明します(同法12条)。説明する事項は、少なくとも次の5つです。

  • 解体する建物の構造
  • 新築工事の場合に使う特定建設資材の種類
  • 工事に着手する時期と工程の概要
  • 分別解体等の計画
  • 解体する建物に使われた建設資材の量の見込み

契約は書面で交わします(同法13条)。建設業法で決められた事項に加えて、分別解体等の方法や解体工事に要する費用なども書き、署名か記名押印をして互いに渡します。電子的な方法で済ませることも、相手の承諾があれば認められています。

口頭の約束だけで工事を始めると、追加費用などの行き違いがあとで確かめにくくなります。説明の書面と契約書は、工事が終わるまで手元に残しておきます。

着工7日前までの建設リサイクル法の届出

対象建設工事では、発注者が工事に着手する日の7日前までに、都道府県知事に届け出ます(建設リサイクル法10条)。業者ではなく発注者の義務として書かれている点に注意が要ります。

シートで囲われた解体現場と工事用トラック
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)

届け出る事項は次のとおりです。

  • 解体する建築物等の構造
  • 工事着手の時期と工程の概要
  • 分別解体等の計画
  • 解体する建築物等に使われた建設資材の量の見込み
  • その他、主務省令で定める事項

届出の内容が基準に合わないとき、知事は受理した日から7日以内に限り、計画の変更などを命じられます(同法10条3項)。着工の直前に届け出ると、日程がずれるおそれがあります。

実際の提出先や書式は、自治体によって案内が違います。建物のある自治体のページで確かめてください。届出の準備を業者に任せる場合も、誰がいつ出すかを契約の前に決めておきます。

電気や電話などのライフラインを止める

解体の前には、電線や電話線の引き込みを外してもらう必要があります。連絡の時期は会社や地域で違い、資料によって書かれている日数にも差があります。

建物の壁に並んだガスメーター
写真: 円周率3パーセント (Enshuritsu 3 percent) / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

東京電力パワーグリッドのページでは、引込線と電力量計の撤去を、希望日の1週間前までに申し込むよう案内しています。工事の内容によっては6か月以上かかる場合もあるとしています。申し込みには、契約者名、住所、供給地点特定番号(22桁)か計器番号、撤去できる日と解体日が要ります。電気の契約を解約していない場合は、契約者から小売電気事業者に連絡するよう案内されています。

仙台市が配っているチラシには、東北電力ネットワークの案内が載っています。申し込みは解体日の2週間前までです。電気の契約がある場合は、契約している小売電気事業者に申し込みます。撤去まで1か月ほどかかる場合があるという説明です。同じチラシは、NTT東日本への連絡を解体のおおむね1か月前までとしています。連絡先は116で、携帯電話からは0120-116-116、受付は9時から17時(土日祝日も可、年末年始を除く)、工事費は無料と書かれています。

このように、電気の撤去の申込期限は電力会社によって違います。東京電力パワーグリッドは撤去希望日の1週間前、東北電力ネットワークは解体日の2週間前です。日程が決まったら、早めに連絡しておくと安心です。

電気や電話の撤去の日が決まったら、解体業者にも伝えておきます。撤去が終わらないと、工事を始められない場合があるためです。

ガスと水道については、この記事では一次資料で手順を確かめられませんでした。契約しているガス会社と水道の窓口に、解体の予定を伝えて手順を聞いてください。業者が手配を代行するかどうかも、契約の前に確かめておきます。

解体後1か月以内の建物滅失登記

登記されている建物を取り壊したら、建物滅失登記を申請します。不動産登記法57条は、建物が滅失した日から1か月以内に申請するよう決めています。申請するのは、表題部の所有者か所有権の登記名義人です。

福岡法務局の庁舎
写真: Hirho / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

申請を怠ると、10万円以下の過料の対象になります(同法164条)。法務局のページには、建物滅失登記の申請書の様式と記載例が載っています。添付する書面は原本を出すよう案内されています。

登記されていない建物の場合は、市区町村への届け出になります。千葉市の例では、市税事務所の資産税課に家屋滅失届出書を出します。手続きの名前や窓口は市区町村によって違うので、建物のある市区町村のページで確かめてください。

建物がなくなると、土地の固定資産税が変わることがあります。くわしくは固定資産税の記事で説明しています。

出典

いずれも2026年11月3日に確認しました。連絡の時期や窓口は変わることがあるため、各社と自治体の最新の案内を確かめてください。

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