家の解体と補助金

解体の補助金の探し方と申請の順番 5つの市の比較

内容の確認日: 2026年11月3日

家の解体に使える補助金は、工事の契約や着工より前に申請して、交付決定を受けるのが基本の順番です。この記事で調べた5つの市は、どれも交付決定の前に結んだ契約や始めた工事を対象にしていません。

申し込む窓口は市区町村です。国の空き家対策総合支援事業は、市区町村の取り組みを支える仕組みです。上限額や条件、受付期間は市区町村ごとに違い、年度ごとにも変わります。この記事は一般的な情報で、個別の判断は市区町村の担当窓口や建築士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月3日に確認しました。

補助金は契約と着工の前に申請する

補助金で特に気をつけたいのは、手続きの順番です。先に業者と契約したり、工事を始めたりすると、補助の対象から外れます。

草に覆われた空き家
写真: Kuroshio no Neko / CC BY 4.0(Wikimedia Commons)

各市のページには、次のように書かれています。

  • 横浜市: 交付決定を受ける前に契約や着工をしない。
  • 名古屋市: 交付決定の前に契約しない。
  • 神戸市: 交付決定を受けてから契約する。
  • 札幌市: 交付決定の前に結んだ契約は対象外。
  • 広島市: 交付決定を受けてから契約する。

見積もりを取る時期の決まりは、市によって書き方が違います。迷ったときは、申請の前に市の窓口へ確かめます。契約書への署名は、交付決定の通知が届いてからにします。

国の制度と市区町村の補助の違い

国土交通省の空き家対策総合支援事業は、市区町村が行う空き家対策を国が支援する事業です。令和8年度の予算は59億円の内数で、事業の期間は令和8年度から令和12年度までとされています。

鹿児島市役所の庁舎
写真: Suicasmo / CC0(Wikimedia Commons)

この事業は、市区町村が作る空家等対策計画に沿って、特定空家等の除却などを支えます。市区町村が所有者に代わって取り壊す代執行では、国が費用の2分の1を負担します。所有者が除却する場合の主な補助率は、国5分の2、地方公共団体5分の2、所有者5分の1と示されています。実際の補助額は各市の上限額などで決まります。

所有者から見ると、申し込む先は国ではなく市区町村の補助制度です。その制度は、大きく2つの考え方に分かれます。

  • 地震への備え: 古い耐震基準の住宅を取り壊す費用を補助する。横浜市や名古屋市の制度がこの型です。
  • 危ない空き家の解消: 傷みが進んだ空き家を取り壊す費用を補助する。神戸市や札幌市、広島市の制度がこの型です。

どちらの型かで、必要な調査が違います。耐震の型では耐震診断などの結果が求められます。空き家の型では、市が建物の傷み具合を判定します。

5つの市の補助を比べる

政令市のうち、令和8年度の内容を公式ページで確かめられた5つの市を表にしました。上限額は個人が使う一般的な区分です。

竹林の中に残る空き家
写真: Kuroshio no Neko / CC BY 4.0(Wikimedia Commons)

表は左右に動かして読めます。

市制度上限額主な条件受付期間
横浜市住宅除却補助旧耐震50万円。新耐震20万円(非課税世帯40万円)平成12年5月末までに着工した耐震性の低い住宅。所有者は個人令和8年4月1日〜12月28日。早めに締め切る場合あり
名古屋市戸建木造住宅除却助成20万円昭和56年5月31日以前に着工した2階建て以下の木造(在来軸組・伝統構法)。耐震診断の判定値1.0未満など4月から受付。完了報告は工事完了から30日以内で2月末まで
神戸市老朽空家等解体補助床面積により20万〜60万円。共同住宅等は70万〜100万円1986年12月31日以前に建てられ、腐朽や破損がある空き家2026年3月2日〜2027年1月12日。予算に達した時点で終了
札幌市危険空家等除却補助通常型50万円市の事前確認で危険空家等と判定されたもの。全部を取り壊す。市税の滞納がない個人2026年5月15日〜9月30日。事前確認の依頼は9月16日まで
広島市老朽危険空家等除却補助50万円市の評価で100点以上の戸建住宅。道路との距離などの条件あり。所有者全員の同意令和8年5月15日〜5月29日に申込(多い場合は抽選)。予定件数に達しなければ6月1日から先着順

補助額は上限額そのままとは限りません。横浜市と名古屋市、札幌市、広島市は、工事費や床面積をもとにした額などと比べて、低いほうの額になります。神戸市は床面積で金額が決まり、対象経費が上限です。神戸市では、アスベストの調査と除去の費用も対象経費に入ります。

札幌市と広島市は、木造の標準除却費を1㎡あたり36,000円としています。たとえば延べ100㎡の木造で工事費が150万円の場合を計算してみます。標準除却費からの額は36,000円×100㎡×10分の8で288万円、工事費の3分の1は50万円です。低いほうの50万円が上限の50万円以内なので、補助額は50万円になります。

神戸市の制度は、住宅以外の用途の建物も対象にしています。延べ100㎡以上で3戸以上の共同住宅などは、別の金額の区分です。

北九州市や静岡市なども調べましたが、令和8年度の解体の補助を公式ページで確かめられなかったため、表から外しました。

申請から完了報告までの順番

細かい手順は市によって違いますが、5つの市に共通する流れは次のとおりです。

鎌倉の山あいに残る空き家
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)
  1. 市区町村のページで制度を探す。「除却」「解体」「老朽」「危険空家」「耐震」などの言葉で探すと見つけやすくなります。
  2. 事前の調査や判定を受ける。札幌市の事前確認、名古屋市の耐震診断、広島市の評価などです。
  3. 解体業者から見積もりを取る。
  4. 補助金を申請する。
  5. 交付決定の通知を受ける。
  6. 業者と契約し、工事を始める。
  7. 工事が終わったら、期限までに完了報告(実績報告)を出す。

完了報告の期限も市ごとに決まっています。横浜市は2月末です。名古屋市は工事完了から30日以内で、2月末までです。神戸市は工事完了と支払いから30日以内で、最終の締め切りは2027年3月11日です。工事が長引くと期限に間に合わないおそれがあるため、工期は申請の前に業者と確かめておきます。

見積書でどこを確かめるかは、見積書と届け出の記事にまとめました。

年度で変わる点と問い合わせ先

補助制度は年度ごとに見直されます。同じ市でも、上限額や受付期間、対象の条件が前の年と違うことがあります。札幌市では、地域の団体に土地を無償で貸す地域連携型(上限150万円)が、令和8年度は相談の受付のみとされています。

阿南市役所の庁舎
写真: Araisyohei / CC BY 4.0(Wikimedia Commons)

受付期間の短さにも注意が要ります。広島市の申込期間は2週間ほどです。神戸市は予算に達した時点で受付を終えます。横浜市も早めに締め切る場合があるとしています。

各市の問い合わせ先は次のとおりです。

  • 横浜市 建築防災課 045-671-2943
  • 神戸市 すまいるネット 078-647-9969
  • 広島市 建築指導課 082-504-2288

名古屋市では、木造住宅が密集した地区の除却は別の扱いで、市街地整備課(052-972-2752)が窓口です。名古屋市のほかの地区と札幌市の窓口は、出典に挙げた各市のページで確かめてください。

電話番号や受付期間は変わることがあります。申請の前に、各市の最新のページを開いて確かめてください。解体したあとの土地の税金については、固定資産税の記事で説明しています。

出典

いずれも2026年11月3日に確認しました。令和9年度以降の内容は、各市の発表を確かめてください。

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