家の解体と補助金

解体業者の選び方 許可と登録の違い・500万円の線と、確かめ方

内容の確認日: 2026年11月4日

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家の解体を頼む業者は、建設業法の「許可」か、建設リサイクル法の「登録」のどちらかを持っている必要があります。請負金額が500万円(消費税を含む)未満の解体なら、許可がなく登録だけの業者でも請け負えます。500万円以上になると、建設業法の許可が要ります。

許可は国土交通省のシステムで、登録は都道府県の名簿や登録簿で確かめられます。あわせて、解体で出る廃棄物を誰がどう運ぶかも見ておきます。この記事は一般的な情報で、個別の判断は建築士や都道府県の建設業担当窓口などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

許可と登録の違いと500万円の線

建設業法の第3条は、建設業を営む人は許可を受けなければならないとしています。ただし、政令で定める「軽微な建設工事」だけを請け負う人は例外です。建設業法施行令の第1条の2は、軽微な工事を「工事1件の請負代金が500万円(建築一式工事は1,500万円)に満たない工事」などと定めています。

解体中の木造住宅
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)

解体工事には、別に建設リサイクル法の決まりがあります。同法の第21条は、解体工事業を営もうとする人は、土木工事業、建築工事業または解体工事業の建設業の許可を受けた人を除き、営業する区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならないと定めています。登録は5年ごとの更新が必要です。

2つの違いを、埼玉県の「解体工事業登録申請の手引き」(令和7年5月)をもとに表にしました。

表は左右に動かして読めます。

解体工事業の登録建設業の許可(土木・建築・解体のいずれか)
請け負える工事1件500万円(消費税を含む)未満の解体工事のみ軽微な解体工事と、それぞれの業種に属する解体工事
施工できる場所登録を受けた都道府県に限る全国どこでも可能
申請先施工場所を所管する都道府県営業所が1つの都道府県なら、その都道府県。複数の都道府県にあれば国土交通省
有効期間5年5年(建設業法第3条)

一般的な木造住宅の解体は、500万円未満になることが多い工事です。そのため、登録だけの地元の業者が請け負うのは普通のことです。見るべきなのは、工事の金額に見合う許可か登録を持っているかどうかです。

注意したいのは、工事を分けて契約する場合です。建設業法施行令の第1条の2第2項は、同じ建設業の人が工事の完成を2つ以上の契約に分けて請け負うときは、各契約の合計額で金額を考える、と定めています。正当な理由があって分けた場合は別です。契約書を分けても、正当な理由がなければ合計で500万円に届くかを見る、ということです。

許可と登録の確かめ方

許可と登録は、調べる場所が違います。

京都市の工事現場に掲げられた看板
写真: TKdows 2026 / CC0(Wikimedia Commons)
  • 建設業の許可: 国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」の建設業者の検索画面で、業種や商号、許可番号、本店の所在地などから探せます。
  • 解体工事業の登録: 登録した都道府県の名簿や登録簿で確かめます。

登録の公開の仕方は、都道府県によって違います。公式ページで確かめた例は次のとおりです。

  • 神奈川県: 登録業者名簿を、登録番号順のExcelと、五十音順・登録番号順のPDFで公開しています。毎月1回の更新で、確認時点では令和8年9月末の名簿でした。閲覧所もあり、月曜から木曜(祝日を除く)の午前9時から午後4時に開いています。
  • 東京都: 解体工事業者登録一覧を、月末時点ごとのPDFで公開しています。確認したのは令和8年度7月末時点の版で、登録番号、登録年月日、商号、住所、技術管理者の氏名が載っていました。
  • 愛知県: 登録簿を、業者の所在地を所管する部署で無料で閲覧できます。平日の決まった時間に開いています。
  • 埼玉県: 県内の登録業者を、県のホームページで掲載しています。

名簿で見るのは、業者の名前と登録番号、登録年月日、有効期間の満了日です。神奈川県の名簿には「有効期間満了年月日」の項目があります。期限が切れていないかを確かめます。

建設リサイクル法の第33条は、解体工事業者に対し、営業所と解体工事の現場ごとに、商号と登録番号などを書いた標識を、公衆の見やすい場所に掲げるよう義務づけています。現場に標識があるかも、確かめる材料になります。

見積書や契約書に、許可番号か登録番号を書いてもらい、名簿と照らし合わせます。番号を教えてもらえない、名簿で見つからない、というときは契約を急がず、都道府県の建設業担当窓口に聞きます。

廃棄物の運搬と処分も確かめる

解体すると、木くずやコンクリートがらなどの産業廃棄物が出ます。廃棄物処理法の第21条の3は、建設工事が何次もの請負で行われる場合、その廃棄物の処理については、発注者から直接工事を請け負った元請業者を排出事業者とすると定めています。つまり、発注者が自分でごみを出す扱いにはなりません。

解体中の住宅
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)

産業廃棄物の収集または運搬を業として行う人は、同法の第14条により、都道府県知事の許可が必要です(自ら運搬する事業者など例外があります)。解体業者が運搬を別の会社に頼むなら、その会社が収集運搬業の許可を持っているかを確かめます。処分を頼む先にも、処分業の許可が必要です。

許可の確認には、公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団の「産廃情報ネット」が使えます。許可番号、所在地、業者名、許可の区分などから検索できます。収集運搬業は、積替えを含むかどうかで区分されています。財団は別に、許可を取り消された事業者を調べるページも設けています。

見積もりの段階で、次のことを聞いておきます。

  • 廃棄物の運搬は自社で行うのか、別の業者に頼むのか。
  • 運搬と処分の委託先の名前と許可番号は何か。
  • 処分の費用は、見積書のどの項目に入っているか。

マニフェストで処理の流れを追う

廃棄物処理法の第12条の3は、産業廃棄物の運搬や処分を他人に委託する事業者は、廃棄物の引き渡しと同時に、運搬を受けた人へ産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付しなければならないとしています。解体工事では、元請業者がこの交付者になります。

解体工事の現場
写真: melvil / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

流れはこうです。

  1. 元請業者が、廃棄物の種類と数量などを書いたマニフェストを、運搬する業者に渡す。
  2. 運搬を終えた業者が、必要事項を書いて、写しを元請業者に送る。処分業者がいるときは、処分業者に回す。
  3. 処分を終えた業者も、必要事項を書いて、写しを元請業者に送る。最終処分まで終わった場合は、その旨も書く。

元請業者は、交付したマニフェストの写しを、環境省令で定める期間、保存しなければなりません。写しがそろっていれば、廃棄物が運搬と処分まで届いたことを書類で確かめられます。

これは元請業者の義務で、発注者が書くものではありません。ただ、発注者としては、工事が終わったあとに「マニフェストで処理が済んでいることを説明してもらえるか」を、契約の前に聞いておくことができます。

なお、建設リサイクル法の第18条は、対象建設工事の元請業者が、特定建設資材廃棄物の再資源化などを終えたとき、書面で発注者に報告し、その実施状況の記録を保存するよう定めています。対象建設工事の範囲と、工事前の届け出は見積書と届け出の記事で、アスベストの事前調査はアスベストの記事で説明しています。報告が適正でないと認めたときは、発注者から都道府県知事に申告できます(同条第2項)。

契約の前に確かめる項目のまとめ

ここまでを、契約前の確認項目にまとめます。

解体中の古い木造建物
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)
  • 解体工事業の登録番号か、建設業の許可番号を、書面で教えてもらったか。
  • 番号を、都道府県の名簿または国土交通省の検索で確かめ、有効期間を見たか。
  • 請負金額が500万円(消費税を含む)以上になるなら、許可を持っているか。
  • 産業廃棄物の運搬と処分の委託先は、許可を持っているか。
  • マニフェストの交付と、完了後の報告(再資源化などの報告書)について、説明があるか。
  • 見積書に、解体、運搬、処分、付帯工事の項目が分けて書かれているか。

費用の内訳の見方は、解体費用の内訳の記事にあります。複数の業者から見積もりを取り、同じ項目で比べると違いが分かります。

出典

いずれも2026年11月4日に確認しました。登録の公開方法は都道府県で違うため、登録した都道府県のページで最新の案内を確かめてください。

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