家の解体と補助金

解体前の家財・残置物の片付けと処分 家庭の不用品を運べる業者と市の収集の例

内容の確認日: 2026年11月4日

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家の解体の前に、家の中の家財を片付けるのは所有者の役目です。環境省の通知は、残置物の処理責任は建物の所有者などにあり、解体工事の施工に先立って処理するのが原則だとしています。

家庭から出る不用品は、廃棄物処理法で一般廃棄物にあたります。運ぶ仕事は、市町村長の許可を受けた業者が行います。産業廃棄物の許可や古物商の許可だけでは、家庭の不用品は回収できません。この記事は一般的な情報で、個別の判断はお住まいの市区町村の廃棄物担当窓口や解体業者などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

解体物と残置物は別のもの

江戸東京博物館に再現された大正期の長屋の玄関
写真: Daderot / CC0(Wikimedia Commons)

解体工事で出る廃棄物と、家の中に残った家財は、法律の上では分けて考えます。環境省が2014年2月3日に都道府県と政令市へ出した通知(環廃産発第1402031号)は、この違いを次のように整理しています。

  • 解体物: 建物を壊して出る廃棄物。木くずやがれき類などの産業廃棄物であることが多い。
  • 残置物: 建物の所有者などが家の中に残した廃棄物。処理責任は所有者などにある。

通知は、残置物が一般廃棄物か産業廃棄物かは、排出の状況と性状で決まると説明しています。同じ通知に添えられた資料では、一般家庭が出すものは一般廃棄物です。事業活動を行う者が出すものは、種類と性状によって産業廃棄物か事業系一般廃棄物になります。

つまり、住まいだった家の家財を解体業者に預けたからといって、産業廃棄物になるわけではありません。家庭の家財は、誰に頼んでも一般廃棄物のままです。通知は、残置物が一般廃棄物のとき、その処理を受けるには産業廃棄物処理業の許可だけでは足りないとしています。必要なのは、市町村の一般廃棄物処理業の許可か、市町村からの委託です。

家庭の不用品を運べる業者は許可で決まる

秋田市役所の本庁舎
写真: 掬茶 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

廃棄物処理法7条1項は、一般廃棄物の収集または運搬を業として行う人は、その区域を管轄する市町村長の許可を受けるよう定めています。環境省のQ&Aも、ご家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業許可か委託が必要だと案内しています。

環境省は同じページで、次の2つでは家庭の廃棄物を回収できないと書いています。

  • 産業廃棄物処理業の許可: 工場や企業の廃棄物を処理するための許可です。
  • 古物商の許可: 中古品などの売買を行うための許可です。

ちらしやホームページに「産業廃棄物の許可あり」「古物商の許可あり」とあっても、それだけでは家財の回収を任せる根拠になりません。環境省は、市区町村の許可や委託を受けずに家庭のごみを回収業者が収集することは認められていないと説明しています。無許可の回収では、不法投棄や不適正な処理の事例が報告されているとも書かれています。

許可を受けずに一般廃棄物の収集や運搬を業として行った人には、廃棄物処理法25条で5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方が定められています。依頼する側が気をつけるのは、業者の許可の種類と、許可を出した市町村の名前です。

市の収集と許可業者 3つの市の例

住宅街の細い道に止まる工事用トラック
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)

家財の出し方は市町村ごとに違います。ここでは、公式ページで確かめられた3つの市を例に挙げます。

名古屋市は、引越しや片付け、遺品整理などで一度に大量に出るごみ(一時多量ごみ)の処理方法を3つ挙げています。

  • 通常の市の収集に分別して出す。一度に大量にならないよう計画的に出す。容量45リットルの指定袋に入らないものは粗大ごみ(有料)で、申し込みが必要。
  • 自分で処理施設へ運ぶ(自己搬入)。重量に応じて料金がかかり、ページには10キログラムごとに270円と書かれています。
  • 市から一般廃棄物の収集運搬許可を受けた業者に有料で頼む。許可業者ごとに「室内整理から」「室内からの搬出から」「ごみ置き場からの運搬のみ」と対応範囲が違う。依頼のときは「一時多量ごみ等処理申込書」を許可業者に出す。

札幌市も同じく3つの方法を示しています。家庭の片付けで出るごみが400リットルを超えるような一時的な多量のごみは、市が許可する業者((一財)札幌市環境事業公社)に頼むとされています。ページには、家庭ごみの搬入施設までの収集運搬を許可業者以外に頼むことはできない、とも書かれています。

横浜市は、一番長い辺が金属製品で30cm以上、それ以外(プラスチック製品や木製品など)で50cm以上のものを粗大ごみとして扱います。処分には事前の申し込みと手数料が必要です。インターネットでは24時間申し込めます。電話は月曜から土曜(祝日を含む)の午前8時30分から午後5時までです。

家電リサイクル法の対象品目(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど)は、市の粗大ごみとは別の仕組みです。環境省と札幌市のページでは、販売店などに引き取りを頼み、リサイクル料金と収集運搬料金が必要になると案内されています。

解体業者に頼むときに確かめること

通り沿いに建つ古い木造の長屋
写真: Suikotei / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

家財の片付けまで解体業者に頼みたいときは、見積書と契約書で次の点を確かめます。

  1. 見積書に、家財の撤去や処分の項目があるか。解体費用とは別の項目になっているかも見ます。
  2. 家財を運ぶ業者が、建物のある市町村の一般廃棄物の収集運搬の許可を持っているか。解体業者自身が持っていない場合は、許可を持つ業者が運ぶのかを聞きます。
  3. 許可証の番号と有効期限を、書面かコピーで見せてもらえるか。
  4. 家電リサイクル法の対象品目や、パソコンなどの扱いが、見積書に書かれているか。
  5. 片付けをいつまでに終えるか。通知は、解体工事の開始までに建物内の廃棄物を処理するのが基本だと述べています。

契約書に「現場の残置物は撤去する」とだけ書かれていて、金額の欄がない場合は、追加費用の有無を契約の前に聞いておきます。見積書の見方は見積書と届け出の記事に、解体費用の内訳は費用の内訳の記事にまとめました。業者の許可や登録の確かめ方は業者の選び方の記事で説明しています。

自分で片付けるときの順番

格子窓のある和風の木造2階建て住宅
写真: Tyuvc / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

自分で家財を減らす場合は、市町村の案内に沿って進めます。

  1. 市町村のごみ・リサイクルのページで、粗大ごみと一時多量ごみの項目を読む。
  2. 家電リサイクル法の対象品目を分けておく。
  3. 粗大ごみは申し込み、手数料の納付、出す日の順に進める。
  4. 量が多いときは、市町村が案内する許可業者の一覧から選んで見積もりを取る。
  5. 使えるものは、古物商の許可を持つリユース店への売却も選べます。環境省は、リユースは古物商の許可を有し信用できる業者に頼むよう案内しています。

名古屋市のページには、リユース品を処理手数料なしで引き取る持ち込み先の案内もあります。こうした制度が自分の市にあるかは、市の窓口で確かめられます。

家財の持ち主の所在が分からず、持ち主が片付けられない場合の扱いは、環境省の通知が市町村に向けて触れています。一般廃棄物の処理は市町村に統括的な処理責任があり、解体工事の事業者などから相談があったときは、市町村が処理方法を示したり、適正な処理業者に委託したりするよう求められています。個別の事情は、建物のある市町村に相談してください。

出典

いずれも2026年11月4日に確認しました。手数料や受付時間は変わることがあるため、申し込む前に各市のページを開いてください。

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