家の解体と補助金

解体中に地中埋設物が出たときの追加費用 契約書の確認点と廃棄物の扱い

内容の確認日: 2026年11月4日

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解体中に地中から浄化槽や古い基礎が出たときは、追加費用が出る前に、業者から書面で知らせを受けて、金額と範囲に合意してから工事を進めるのが基本の順番です。中央建設業審議会の民間建設工事標準請負契約約款(乙)は、地中障害物が見つかったとき受注者に書面での通知を求め、工期や請負代金額の変更を求める手順を置いています。

出てきた廃材は、廃棄物処理法に沿って処理されます。費用の相場は、国や自治体の公式資料で確かめられなかったため、この記事では金額を書きません。この記事は一般的な情報で、個別の判断は解体業者との契約内容を見たうえで、建築士や弁護士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

地中から出るものと、追加になる理由

家を壊して地面を掘り返すと、見積もりの時点では見えなかったものが出ることがあります。よく挙がるのは次のものです。

  • 浄化槽や汲み取り式の便槽
  • 古い建物の基礎や土間のコンクリート
  • 以前の建物や工事の廃材、がれき
  • 古い井戸、杭、配管

これらは地上からは確認しにくく、見積もりに入っていないことが多いものです。入っていなければ、撤去や処分の作業が増え、その分が追加の費用になります。

茨城県つくば市で取り壊されている店舗
写真: Miyuki Meinaka / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

浄化槽は、使っていなくても埋まったままでは困る場合があります。岐阜県のページは、浄化槽を廃止するとき最終清掃をすること、建物を解体する事業者は解体の前に浄化槽が埋まっていないか確かめることを求めています。槽に残る汚泥は一般廃棄物にあたり、地面にしみ込ませると不法投棄になると同じページに書かれています。

見積もりを取る段階で、「地中に何があり得るか」を業者に聞いておくと、あとで驚きにくくなります。

契約書で確かめる条項

地中のものが出たときの扱いは、まず契約書で決まります。確かめたいのは次の4点です。

  1. 地中障害物が見つかったときに、業者がどんな方法で知らせるか(書面か、写真付きか)
  2. 知らせを受けたあと、費用が変わるのか、工期が変わるのか、誰が決めるのか
  3. 見積もりに「地中埋設物は含まない」といった除外が書かれていないか
  4. 出たものの撤去と処分を、別の単価で精算するのか、一式で決めておくのか
朱肉と印影が並ぶ判子
写真: Culture Japon / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

中央建設業審議会が作った民間建設工事標準請負契約約款(乙)は、個人住宅の建築など民間の小規模工事のための標準約款です。第9条で、受注者が「土壌汚染、地中障害物の発見、埋蔵文化財の発掘その他施工の支障となる予期することのできない事態」を見つけたとき、直ちに書面で発注者に通知するとしています。通知を受けた発注者は書面で指示し、発注者と受注者は工期や請負代金額の変更を相手に求めることができます。

ただし、この約款は新築などの工事向けの標準です。解体工事の契約書は、業者の独自の書式であることが少なくありません。約款と同じ定めがあるとは限らないため、手元の契約書の文言で確かめてください。

建設業法第19条も関わります。工事の請負契約では、設計変更の申し出があったときの工期や請負代金額の変更、その額の算定方法について、あらかじめ書面に定めることが求められています。第2項は、契約の内容を変更するときも、変更の内容を書面に記載して互いに交付するとしています。解体工事業は建設業の業種のひとつです。追加費用の合意も、口頭だけで済ませず書面に残してください。

出てきた廃材は産業廃棄物になる

廃棄物処理法では、事業者は事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任で適正に処理しなければなりません(第3条)。解体工事のように下請けが入る建設工事では、第21条の3により、注文者から直接工事を請け負った元請業者が事業者として扱われます。

解体工事が進む住宅の跡地
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)

産業廃棄物の範囲は、法第2条と政令第2条が定めています。工作物の新築、改築、除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物は、産業廃棄物のひとつです。古い基礎を壊して出たコンクリートは、この区分で考えます。

産業廃棄物の運搬や処分を他人に委託するときは、運搬は産業廃棄物収集運搬業者などに、処分は産業廃棄物処分業者などに頼まなければなりません(第12条第5項)。許可のない業者に任せたり、その辺りに埋めたり捨てたりすることは認められません。法第16条は、何人もみだりに廃棄物を捨ててはならないと定めています。

注文者として確かめられるのは、次のことです。

  • 撤去したものを、どの許可業者がどこへ運ぶのか、業者に聞く
  • 浄化槽の汚泥など、産業廃棄物と一般廃棄物が分かれる場合は、どちらの手続きかを聞く
  • 処分が終わったあと、書類や写真で確認できるようにしてもらう

地中から出たものが「工事に伴って生じた廃棄物」にあたるのか、もとからそこにあった廃棄物として扱われるのかは、環境省の資料で確かめられませんでした。自治体の廃棄物担当の窓口に尋ねるのが確実です。

費用の見積もりの見方

重機とトラックが入る建設現場
写真: Guenny / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

地中埋設物の撤去費について、国や自治体の公式資料から木造住宅の目安を確認できませんでした。そのため金額は載せません。基本の解体費の内訳は、木造住宅の解体費用の内訳にまとめています。

追加の見積もりを受け取ったときは、次の項目に分けて書かれているか見てください。この分け方は、この記事からの提案です。

  • 撤去する対象と数量(浄化槽は容量や個数、コンクリートは量)
  • 重機や人手の作業費
  • 運搬費と処分費
  • 掘った穴の埋め戻しと整地の費用

「地中障害物撤去一式」とだけ書かれているときは、対象と数量を聞いてください。掘った現場を撮った写真があれば、判断の材料になります。納得できないときは、契約を進める前に別の業者にも見てもらう方法があります。業者の許可や登録の確かめ方は、解体業者の選び方にまとめられています。

契約の前に、地中に何があるかを調べたいときは、試掘を頼む方法もあります。費用と日数は業者によって違います。

売ることが決まっている土地の場合

解体して更地にしてから売る予定なら、売買の契約との関係も気にかかります。民法第562条は、引き渡された目的物が種類、品質、数量に関して契約の内容に適合しないとき、買主が履行の追完を請求できると定めています。第566条により、種類または品質の不適合については、買主は知ったときから1年以内に売主へ通知しなければなりません(売主が引渡しの時に不適合を知っていたか、重大な過失で知らなかった場合を除く)。

建物が取り壊されたあとの広い更地
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)

売主が地中のものを知りながら買主に告げなかった場合は、責任を負わない特約をしていても、その責任を免れられません(民法第572条)。解体中に出たものは、買主に伝えるかどうか迷わず、不動産会社に話してください。写真や撤去の記録を残しておくと、説明に使えます。

解体後の土地にかかる税金については、固定資産税の記事で説明しています。契約の細かい判断は、弁護士や不動産の専門家に確認してください。

出典

いずれも2026年11月4日に確認しました。

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