家の解体と補助金

解体費用が払えないときの選択肢 空き家解体ローンの条件の見方と、相続財産から払うときの考え方

内容の確認日: 2026年11月4日

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解体費用をすぐに払えないときの選択肢は、大きく3つあります。補助金を探す。空き家の解体に使えるローンを調べる。支払いの時期を業者と相談して契約書に書く。相続した家なら、相続財産の預貯金を使えるかも確かめます。

ローンは借金なので、返済の計画が要ります。この記事では、公式の商品概要説明書を確かめられたJA横浜の「JA空き家解体ローン」を例に、条件の見方を書きます。相続財産を使うときの考え方も、法令の範囲で説明します。この記事は一般的な情報で、個別の判断は金融機関や弁護士・司法書士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

まず確かめる順番

お金の手当てを考えるときは、次の順番で確かめると無駄が少なくなります。

鎌倉の山あいに残る空き家
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)
  1. 補助金が使えるか。補助金は契約や着工の前の申請が基本です。探し方は解体の補助金の記事にまとめました。
  2. 見積もりの総額を確かめる。借りる額と返済の計画は、この総額から考えます。
  3. ローンを使うか、手元の資金で払うかを決める。
  4. 業者に、支払いの時期と方法を相談する。

補助金がいつ振り込まれるか、工事費をいったん自分で払う必要があるかは、制度ごとに違うはずです。各市の案内で確かめます。

空き家解体ローンの条件の見方

金融機関には、空き家の解体を使い道にできるローンがあります。JA横浜の商品概要説明書(令和7年4月1日現在)から、主な内容を表にしました。

石造りの柱が並ぶ盛岡信用金庫本店の建物
写真: Daderot / CC0(Wikimedia Commons)
項目JA空き家解体ローン(ニコス型)
使い道現在居住していない住宅の解体費用。借入にかかる事務手数料や登記費用などの諸費用も含められる
対象の人地区内に在住または在勤。借入時に満18歳以上75歳未満で、最終返済時に満80歳未満。継続した安定収入があり、JAが指定する保証機関の保証を受けられる人
借入額10万円以上500万円以内(1万円単位)
借入期間1年以上10年以内
金利固定金利選択型と変動金利型から選ぶ。利率は店頭で案内される。保証料(年0.8%)を含む
返済方法元利均等返済。毎月返済のほか、年2回の特定月に増額する方式を選べる(増額分の合計は借入額の50%以内)
担保・保証人担保は不要。保証機関(三菱UFJニコス)の保証を使うため、原則として保証人も不要
手数料契約時に事務手数料3,300円(税込)。繰上返済や条件変更にも手数料がある
申込店頭での申込のみ

変動金利型では、金利が変わっても返済額は5回の基準日までは変わらず、5回目の基準日に算出し直されます。変更後の返済額は、変更前の1.25倍が上限です。当初の期間が終わっても残高があるときは、原則として期日に一括で返済します。借りる前に、この仕組みを窓口で説明してもらいます。

この商品は居住していない住宅の解体が対象です。今住んでいる家を取り壊すときに使えるかは、書かれていません。利率の数字も、説明書には載っていません。窓口で聞く必要があります。

申し込む前に、窓口で次の数字を出してもらうと比べやすくなります。

  • 適用される利率と、固定か変動か。
  • 毎月の返済額と、返済の総額。
  • 契約時や繰上返済のときの手数料。

他の金融機関の商品は、対象の地域や年齢、借入額、金利のタイプが違います。この記事で公式の資料を確かめた商品はJA横浜の1件だけです。借りる前に、各金融機関の最新の商品概要説明書を読んでください。審査もあり、希望どおりに借りられるとは限りません。

支払いの時期は契約書に書く

手元の資金が足りなくても、支払いの時期を業者と相談できることがあります。分割払いや後払いに応じるかどうかは、業者によって違います。聞いてみないと分かりません。

朱肉と印影が並ぶ判子
写真: Culture Japon / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

建設業法19条は、建設工事の請負契約で書面に記載する事項を定めています。支払いに関係する項目は次の2つです。

  • 請負代金の全部または一部の前金払、または出来形部分に対する支払いの定めをするときは、その支払いの時期と方法(1項5号)。
  • 工事完成後における請負代金の支払いの時期と方法(1項12号)。

口約束のままにせず、支払いの時期と方法を契約書に書いてもらいます。契約書で確かめる項目は契約トラブルの記事に、見積書の見方は見積書と届け出の記事にあります。

相続した家の解体費を、相続財産から払うとき

親の家を相続して解体するとき、解体費を亡くなった人の預貯金から出せるか、という疑問があります。ここでは法令に書かれている範囲だけを説明します。

銀行のATMコーナー
写真: Rebirth10 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

相続人が複数いるとき、相続財産は共有になります(民法898条1項)。遺産分割の前に、各相続人が単独で引き出せる預貯金には上限があります(民法909条の2)。法務省の資料では、次の計算で示されています。

  • 相続開始時の預貯金の額 × 3分の1 × その相続人の法定相続分(口座ごと)。
  • 1つの金融機関から払戻しを受けられるのは150万円まで。

例として、預金が600万円で長男の払戻し可能額は100万円と示されています。この制度の払戻しを解体費に使えるかどうかは、確かめた資料には書かれていません。使う前に、金融機関か専門家に聞いてください。

もう一つ気をつけたいのが、相続放棄との関係です。裁判所の案内によると、相続人は、自分のために相続が開始したことを知った時から3か月の熟慮期間内に、単純承認、限定承認、相続放棄のいずれかを選びます。調べても決められないときは、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てられます。民法921条1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは(保存行為などを除く)、単純承認をしたものとみなすと定めています。相続放棄を考えているなら、家を解体したり、預貯金を使ったりする前に、弁護士や司法書士に相談します。解体が「処分」にあたるかは、条文だけでは分かりません。

相続人が複数いる家は、解体にも全員の同意の問題が出てきます。共有名義・相続人が複数いる家の解体の記事で説明しています。解体費が税金の経費や控除になるかは、解体費用と税金の記事にまとめました。

出典

いずれも2026年11月4日に確認しました。

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